特に注意するべき高齢患者の感染対策

毎年、冬期に入るとインフルエンザが流行します。
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによる感染症のことを指します。倦怠感、のどの痛みといった通常の風邪症状に加え、38℃以上の熱が比較的急速に表れるのが特徴です。
インフルエンザの致死率は0.001%未満と言われており、通常であれば正しい治療と服薬で症状を抑えることができます。

しかし、70歳以上の人間がインフルエンザに罹患すると、致死率は0.03%と全体の平均より数値が挙がることがわかっています。また、入院している患者の中には身体の抵抗力が下がっている人も多く、インフルエンザウイルスへの抵抗力が著しく下がっている状況です。
そのため看護・介護の現場に立つ医療従事者は、インフルエンザ予防や対策を常に行い、自身への感染および高齢患者への感染を避けるよう心掛けるべきでしょう。

インフルエンザ予防は、看護師を主とした病棟スタッフだけではなく、入院施設を行き来する人にも着目すべきです。例えば、見舞いに来た知人などに対し、マスク着用や消毒の注意喚起を広く促すよう努める必要があります。

万が一入院中によるインフルエンザの発症があった場合、適切な治療を行う必要があります。
前述でもあるように、入院中の患者は抵抗力が下がった状態の場合が多いため、脱水症状や肺炎を引き起こすケースがあることも留意しておくべきです。
また、院内感染の恐れもあるので、適切な消毒を行うことはもちろん、場合によっては隔離といった処置も検討する必要があります。